不動産購入時の重要事項説明について!確認するポイントや注意点もご紹介

不動産購入時の重要事項説明について!確認するポイントや注意点もご紹介

土地や建物を購入するときには、不動産会社へ物件の紹介を依頼するのが一般的です。
ところで、気に入った物件の売買契約を結ぶ前に、重要事項説明を受けるのをご存じでしょうか。
この記事では、重要事項説明とは何かのほか確認するポイントや説明を受けるときの注意点についてもご紹介するので、不動産の購入を予定している方はお役立てください。

不動産を購入するときの重要事項説明とは

不動産を購入するときの重要事項説明とは

土地や建物を購入にあたって売買契約を結ぶ必要があるとともに、契約する前に重要事項について説明を受けなければなりません。
ここでは、重要事項説明の概要についてご説明します。

重要事項説明とは

サラリーマンや公務員は土地や建物を購入する機会が少なく、生涯に一度も経験しないことも珍しくありません。
くわえて、取引金額が高額になる傾向があるため、間違った知識や勘違いによってトラブルが発生しないよう注意が必要です。
重要事項説明とは、不動産会社が不動産の売買や賃貸借を仲介する際に義務付けられている宅地建物取引業法に基づく手続きです。
説明に用いる書類を重要事項説明書と呼び、契約締結前に宅地建物取引士が書面で取引物件の情報について説明するよう定められています。
不動産会社は説明書を作成するために売主からの情報提供が必要です。
説明の対象は買い手ですが、誤った説明が行われないよう売主も同席するのが望ましいです。

説明のタイミング

重要事項の説明は、売買契約を締結する前に実施する必要があります。
ただし、実務においては、売買契約書に押印する直前におこなわれるケースが少なくありません。
説明の内容は多岐にわたり、専門的な知識を持たない一般の方には理解が難しい点が多いでしょう。
したがって、売買契約を結ぶ前に不動産会社から重要事項説明書を提供してもらい、細部まで一読したうえで説明を受けるのが望ましいです。
理解できない点を事前にチェックしておくと、説明を受ける際に確認しやすくなります。
また、わからない点が多い場合は、電話などで事前に説明を受けることも可能です。

宅地建物取引士による説明

重要事項の説明をおこなうのは、資格試験に合格した宅地建物取引士に限定されています。
宅地建物取引業者は、従業者5名に対し1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。
宅地建物取引士には宅地建物取引士証が交付されており、重要事項を説明する際には宅地建物取引士証を提示するよう規定されています。
重要事項の説明を受ける際に宅地建物取引士証が提示されない場合、無資格者の可能性があるため、念のため確認することが望ましいです。

重要事項説明の目的

重要事項説明の目的は、売買契約を結ぶ当事者間のトラブルを防ぐことです。
不動産取引の知識を持たない方が損害を被らないように、宅地建物取引士による詳細な説明が必要です。
売主と買主は、売買契約を結ぶ際に説明を理解するよう努め、不明な点があれば遠慮せずに問い合わせるようにしましょう。

不動産を購入するときに重要事項説明で確認するポイント

不動産を購入するときに重要事項説明で確認するポイント

トラブルを防ぐうえで、さまざまな点について説明を受けますが、ここではとくに重要なポイントについてご説明します。

物件の情報

取引物件に関して、所在地や面積のほか、不動産登記簿に登録されている事項が記載されており、面積についてはチラシなどと差がないか確認しましょう。
また、抵当権や仮登記が設定されていないかをチェックし、記載されていない場合でも、設定されていないことについて口頭で説明を受けておくのが望ましいです。
抵当権や仮登記が設定されている物件を購入する際には、問題が解決するまでは購入を見送るのが良いでしょう。

法令上の制限

土地には都市計画法などによる規制があり、地域によって建物を建てる際の建ぺい率などが異なります。
住宅を建てる予定がある場合は、建築が許可される区域であることを確認しましょう。
都市計画法による用途地域を確認し、建築可能な建物の種別について具体的に示してもらい、高さ制限や増改築の制限についても確認してください。

接道の情報

敷地と接している道路の幅員や接触する長さによっては、建物を建てられない可能性があります。
道路の幅が4m未満の物件や、接触する長さが2mに満たない場合、または公道でない場合はとくに注意が必要です。

インフラの情報

都市計画区域でない土地には、水道、下水道、ガスなどのインフラが整っていない可能性があります。
物件を購入後にこれらのインフラが整備される場合、費用負担が求められることもあります。

物件の状態

土地に関しては、道路からの高さや傾斜の有無、排水施設の状態などを確認しましょう。
建物については、雨漏りや設備の不具合をチェックし、専門家によるインスペクションが実施されていない場合は、売主の了解を得たうえで実施するのがおすすめです。

マンション

マンションでは、共用部分の管理にかかる費用のほか、建物の修繕に必要な積立金が発生します。
したがって、管理費や修繕積立金の金額にくわえ、滞納状況も把握しておくことが重要です。

手付金

売買契約において、手付金が設定されていることが多いです。
手付金は売買契約を締結する際に支払うのが一般的で、最終的な売買金額に相殺されます。
ただし、契約当日に支払う必要があるため、事前に確認しておくことが重要です。

契約解除に関する条件

契約締結後に何らかの事情で契約解除する場合の条件について確認しておきましょう。
買主の事情による契約解除の場合、手付金の放棄が一般的です。
売主の事情による契約解除の場合は、手付金の金額の2倍を支払うことが一般的です。
また、契約違反に関する違約金や損害賠償の扱いについても確認することが重要です。
建物購入にあたって住宅ローンを利用する場合、予定していた住宅ローンが借りられず契約を解除する可能性があります。
ローンが借りられずに契約解除する場合に違約金を支払わずに済むよう、住宅ローン特約を設定してもらうことをおすすめします。

契約不適合責任に対する措置

不動産の売買においては、契約締結後に物件に説明を受けていない不具合や瑕疵が発生した場合、買主は売主に対して契約不適合責任を求めることができます。
中古物件の場合、契約後2年間が問題を問える期限とされており、重要事項説明書の中でこの期間が短縮されていないかを確認しておきましょう。

不動産の購入にあたって重要事項説明を受けるときの注意点

不動産の購入にあたって重要事項説明を受けるときの注意点

重要事項の説明については、理解を深めるために事前に重要事項説明書のコピーを提供してもらいましょう。
わからない点は理解できるまで確認し、不具合がある場合には取扱いの変更などを依頼することが重要です。
変更が生じた場合には、重要事項説明書を作り直してもらいましょう。
また、重要事項説明を受けていない段階で契約書にサインすると、サインした方も法律違反を問われる可能性があるため、注意が必要です。
なお、不動産会社の仲介を受けない個人間の売買では、重要事項の説明についての法的な定めはありません。
しかし、物件の不具合や瑕疵については、売主が契約前に買い手に示す必要があります。
売買契約を結ぶ当事者間のトラブルを防ぐために、細かい点まで確認することが望ましいです。

まとめ

土地や建物を購入にあたって売買契約を結ぶときには、契約する前に宅地建物取引士からの重要事項説明を受けなければなりません。
説明内容は聞きなれない言葉が多く、多岐にわたります。
理解を深められるよう事前にコピーを提供してもらい、細かい点まで一読したうえで、説明を受けるようにしましょう。