競売物件の購入について!安さのメリットや注意点も解説

競売物件の購入について!安さのメリットや注意点も解説

マイホームの購入を検討している方のなかには、競売物件という選択肢に興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
競売は、一般的な不動産取引とは異なる制度であり、価格面での魅力がある反面、独自の仕組みを理解する必要があります。
想定外のトラブルを避けるためには、事前に注意点やリスクをしっかり把握しておくことが大切です。
この記事では、競売物件の特徴や購入のメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。

競売物件とはなにかについて

競売物件とはなにかについて

競売物件とは

競売物件とは、ローン返済が滞った際に債権者が裁判所へ申し立てて、強制売却される不動産です。
市場より安価に落札できる場合があるため、費用を抑えたい方にとって魅力的でしょう。
一方で、購入前に内部を確認できないことが多く、修繕費が読みにくい点や現住人との交渉が必要になるケースもあります。
競売には「期間入札」という方式が採用され、入札期間が定められます。
開札日に最高額を提示した人が落札者となるため、価格は需要と競争状況によって決まるのです。
情報は、裁判所の不動産競売物件情報サイトや官報で公開され、三点セット(物件明細書・評価書・現況調査報告書)を読み解く力が安全な購入の鍵になります。
なお、ローン滞納時には任意売却という方法もありますが、販売期間が読めず金融機関の同意が必須になるため、債権回収を急ぐ場合は競売が選択されることが一般的です。
とくに、評価書には建物の劣化状況や近隣相場が記載されているため、相場との比較や修繕費の概算に役立ちます。

裁判所

競売手続きは、差し押さえから引き渡しまで、地方裁判所が一貫して管理します。
入札には、申込書と売却基準価額の約20%にあたる保証金を納める必要がありますが、落札できなければ保証金は返還されます。
入札は封書でおこなわれ、期間入札方式では一週間程度の受付期間が設けられます。
落札すると、約1週間後に売却許可決定が下され、その決定が確定した日から原則2週間以内に残代金を納付しなければなりません。
決められた期限内に納付できない場合、保証金は没収となり落札も取り消されます。
閲覧室では、誰でも関連書類を無料で閲覧でき、コピーを取得する際は数十円程度の手数料を払えば持ち帰ることができます。
公的手続きで記録が残るため、取引の透明性は高いものの、書類準備や期日の管理には専門知識が欠かせません。
法的トラブルを避けるためには、入札前に手続き全体の流れや必要書類をチェックリスト化し、司法書士など専門家に確認してもらうと安心です。

住宅ローン

競売物件への融資はリスクが高いと判断され、通常の住宅ローンより審査が厳しくなる傾向があります。
金融機関は、物件の担保評価を現地確認できない場合があるため、自己資金の割合を高めるよう求めることがあります。
落札から1〜2か月以内に代金納付が必要なため、事前審査の段階で支払いスケジュールを金融機関と共有し、競売向けローンの商品を利用できるか確認しましょう。
一部の金融機関は、リフォーム資金を同時に借りられるパッケージを提供しており、物件の改修が前提の場合に有効です。
代金納付期日に間に合わない場合に備えて、ブリッジローンやつなぎ融資を提供する金融機関もあります。

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競売物件を購入するメリットについて

競売物件を購入するメリットについて

安い

競売最大の魅力は、取得コストの低さです。
入札方式のため、市場価格より数割安く落札できる例もあり、仲介手数料も基本的に不要です。
さらに、住宅取得時に発生する登記費用や不動産取得税などは通常の取引と同じ扱いですが、物件価格が低い分だけ総負担が抑えられます。
浮いた資金をリフォームや家具購入に回すことで、トータルコストを最小限に抑えられる点も大きな利点です。
取得価格が低いことで固定資産税評価額も下がる傾向があり、購入後の維持コストを抑えられる可能性もあります。
さらに、住宅ローン控除を適用できれば、所得税の還付効果によって実質的な支払額を圧縮できる点も魅力です。

手続き

手続きは裁判所の定める流れに沿って進み、必要書類や期限が明確です。
民間取引で見られる価格交渉や手付金の授受がなく、ルールが公開されているため、ステップを理解すれば進行は比較的シンプルです。
落札後の所有権移転登記は、売却代金を一括納付したタイミングでおこなわれるため、取引完了までの期間が読みやすいのも特徴でしょう。
不明点は司法書士や競売に詳しい不動産会社に相談し、書類作成や期日管理をサポートしてもらうとミスを防げます。
また、期間入札とは別に競争入札や公示入札などの方式があり、手続きを理解して選択することが大切です。
物件情報は、インターネット公告でも公開されるため、自宅にいながらでも最新情報を収集できるでしょう。

多様

競売市場には、戸建てやマンションだけでなく、店舗や倉庫、さらには農地や山林など多彩な不動産が出回ります。
地方には、広い敷地の住宅やリノベーション向き物件が多く、別荘や二拠点生活を考える方にとっても選択肢が広がるでしょう。
自治体が、空き家対策で取得を後押しする補助制度を設けている地域もあり、制度を活用すれば改修費の一部を賄える場合があります。
資材置場や駐車場として活用できる更地が出品されることもあり、投資家だけでなく事業者にも注目されています。
また、サブリース会社が買い取り、民泊やシェアハウスとして運用する例も増えており、活用方法は年々多様化しているのです。
オンラインで、落札後にリモート内見サービスを提供する事業者も登場しており、遠方からでも検討しやすくなっています。

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競売物件を購入するデメリットについて

競売物件を購入するデメリットについて

内覧

競売では基本的に、内覧ができないか、できても限定的です。
そのため、室内の劣化状況や設備の傷みを事前に把握できず、落札後に配管の交換や断熱工事など想定外の修繕費が発生する恐れがあります。
購入検討時は、追加費用を見込んだ余裕ある資金計画を立て、リフォーム会社に概算見積もりを依頼しておくと安心です。
周辺住環境については、市区町村の都市計画課でハザードマップや建築制限を確認し、外観や敷地から想定できる情報を収集してリスクを下げる工夫が求められます。
外壁のひび割れや屋根材の浮きを双眼鏡で確認するなど、現地で可能な範囲のチェックもおこないましょう。

引き渡し義務

売主がいないため、落札後も元の所有者や借主が居住している場合は、買受人が退去手続きをおこなう必要があります。
占有者が任意で退去しない場合は、明渡し訴訟や強制執行の手続きを取ることになり、数か月から半年程度の時間と追加費用がかかります。
残置物の処分にも費用がかかるため、現況調査報告書で状況を確認し、対応策と予算をあらかじめ準備しておきましょう。
占有者と合意を形成できた場合は、立退料を支払うことで円満に解決する方法もあるため、弁護士に早期相談して交渉方針を立てるとスムーズです。

契約不適合責任

競売物件は現況有姿での売却となり、重大な欠陥が見つかっても売主に修補や損害賠償を請求できません。
基礎の沈下や、雨漏りなどの構造的問題が発覚した場合でも自己負担になるため、専門家の建物調査を依頼し、修繕費を積立てておくことが不可欠です。
地盤沈下や土壌汚染が発覚した例もあるため、土地履歴や近隣の公示地価を調査し、必要なら瑕疵保険の加入を検討すると安心です。
購入後に発覚した問題はすべて自己責任となるため、ファイナンシャルプランナーに長期修繕計画の相談をしておくと資金面での不安を減らせます。

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まとめ

競売物件は、裁判所の手続きを通じて取得する仕組みで、相場より安く購入できる点が大きな魅力です。
一方で、内覧ができない場合や契約不適合責任がないことなど、特有のリスクにも注意が必要です。
購入前には制度や流れを十分に理解し、メリットとデメリットを慎重に比較して検討しましょう。

株式会社安川工務店

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