分譲マンションとは?メリット・デメリットや購入の相場を解説

マイホームの購入を検討する場合、一戸建てのほかにも、分譲マンションが選択肢として挙げられます。
それぞれの住宅には、住み心地や資産価値の違いなどがあるため、慎重に検討したうえで決めることが大切です。
今回は、分譲マンションについて、メリット・デメリット、購入の相場について解説します。
分譲マンションとはなにか?メリットを解説

マイホームの購入を考える場合は、さまざまな住宅のタイプを把握しておくと、自分に合った住まいを見つけるのに役立ちます。
ここでは、分譲マンションの概要や3つのメリットについて解説します。
分譲マンションとは?
分譲マンションとは、マンションを1住戸ごとに販売しているマンション物件のことです。
1住戸ごとの物件を購入した方は「区分所有者」と呼ばれます。
新築マンションでは、デベロッパーが売主となり、多くの住戸を一斉に売り出すケースが多いです。
一方、中古マンションでは、個人の元の所有者が売主となり、物件を売り出す場合があります。
メリット①設備が充実している
分譲マンションは、多くの人が長期的に住むことを想定して購入するため、設備が充実していることが一般的です。
分譲マンションで用意されている設備の例は、以下のとおりです。
●宅配ボックス
●24時間ゴミ出し可能なゴミ置き場
●常駐の管理人やコンシェルジュ
●ディスポーザー
●浴室乾燥機
分譲マンションによっては、訪問客が泊まれるゲストルームやパーティールームを備えているところもあります。
キッズルームがあり、マンション内の子育て世帯の交流の場となっているケースもあります。
新しいセキュリティシステムを備えており、賃貸物件よりも防犯面の対策が強固な物件も多いです。
ほとんどの分譲マンションではオートロックを備えており、不審者が侵入しにくい環境があることもメリットです。
一時的な居住用として提供され、立地の良さや利便性を優先する賃貸物件とは異なり、このように設備面で違いがあります。
また、分譲マンションは壁に厚みがあり、しっかりとした防音対策がおこなわれているケースも多いです。
賃貸物件に比べると生活音が響きにくく、近隣との騒音トラブルが起きにくい点もメリットです。
メリット②資産になる
住宅ローンを組んで分譲マンションを購入すると、月々の支払いは賃貸物件の家賃と同程度になる場合があります。
賃貸物件の家賃は支払った後に残らないのに対し、分譲マンションは購入すると資産として残るメリットがあります。
購入後に転勤などで一時的に住まなくなった場合は賃貸物件として出し、家賃収入を得ることも可能です。
最終的に分譲マンションを手放すことになった場合でも、売却に出せば現金化ができる点もメリットです。
メリット③リフォームができる
分譲マンションは自身の持ち物となるため、自由なリフォームができます。
壁紙の張り替えや間取りの変更など、賃貸物件では原状回復義務の関係でできないリフォームも、分譲マンションなら可能です。
自分好みの部屋にリフォームすると、暮らしの快適さが向上し、住まいへの愛着も湧くでしょう。
ただし、リフォームの内容によっては、マンションの管理規約による制限を受ける場合もあるため、注意が必要です。
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分譲マンションのデメリット

分譲マンションにはメリットが多くある一方で、デメリットも存在します。
ここでは、主な2つのデメリットを解説します。
デメリット①購入時に多額の費用が必要
分譲マンションを購入する場合は、初期費用として多額な出費が発生します。
頭金の相場は、物件価格の10〜20%とされており、3,000万円の物件なら300〜600万円程度の資金が必要です。
また、住宅ローンを組む場合は、数十万円の諸費用もかかります。
さらに、マンションでは共用部分の維持・管理に必要な管理費や、大規模修繕工事に備えて積み立てる修繕積立金もかかります。
国土交通省の調べによると、分譲マンションでは、修繕積立金の1戸あたり平均額は約13,054円です。
家賃がかからなくなるとはいえ、ローンの返済と管理費、修繕積立金などの出費は続いていくことを覚えておく必要があります。
デメリット②転居しづらくなる
分譲マンションを購入すると、気軽な転居ができなくなる点はデメリットです。
分譲マンションを購入する場合、住宅ローンを組んで購入資金に充てるケースが多いでしょう。
ローンの支払期間中は、所有物件の売却が困難になります。
また、事情が変わり、住まなくなった期間に賃貸物件として出そうとしても、入居者がなかなか見つからないケースもあります。
住んでいなくても、所有している限り管理費や修繕積立金、固定資産税などはかかり続けるため、分譲マンションの所有が家計を圧迫する可能性もあるでしょう。
分譲マンションを手放すことになった場合も、売却するまでには一定期間や手間がかかります。
すぐに転居したくても、分譲マンションの売却手続きがスムーズに進まないケースもあるかもしれません。
ただし、マイホームを購入する場合、このような状況は分譲マンションに限らず、どんな住宅でも起こり得るリスクです。
マイホームを購入する安定性を取るか、賃貸物件の気軽さを取るかは、各家庭の状況により決める必要があるでしょう。
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分譲マンションの相場

分譲マンションの購入で気になる点は、いくらくらいで買えるかについてでしょう。
ここでは、分譲マンションの相場と、頭金や諸費用の相場に分けて解説します。
分譲マンションの平均的な購入費用
分譲マンションの相場は、地域や新築・中古によって異なります。
分譲マンション全体の相場をまとめると、以下のとおりです。
●全国:約6,082万円
●首都圏:約8,135万円
●近畿圏:約4,940万円
近畿圏は、全国平均と比べると約1,100万円ほど安い結果となっています。
また、新築の分譲マンションに絞ると、以下の相場となっています。
●首都圏:約6,011万円
●近畿圏:約3,492万円
中古の分譲マンションに絞ると、結果は以下のとおりです。
●首都圏:約3,644万円
●近畿圏:約2,387万円
地域による価格差は大きいため、分譲マンションを購入する場合は、立地を慎重に検討することも重要な要素といえます。
諸費用の相場
分譲マンションを購入する場合は、初期費用として頭金と諸費用が発生します。
頭金の相場は、物件価格の10〜20%程度です。
また、諸費用は新築の場合で物件価格の約3〜5%、中古では約5〜9%がかかります。
近年では、頭金なしで住宅ローンが組める「フルローン」を提供する金融機関もあります。
しかし、フルローンの審査は一般的な住宅ローンより厳しく、利息も高くなる点に注意が必要です。
住宅金融支援機構の調査によれば、住宅ローンの平均約定返済期間は約27年ですが、実際には繰り上げ返済や借り換えにより平均16年程度で完済している例が多いと報告されています。
住宅ローンの返済中は、経済的・心理的負担があるため、できるだけ早く返済したいと考える方が多いことを示しています。
分譲マンションを購入する場合は、物件価格だけでなく、初期費用や購入後のローン返済額なども慎重に計算するようにしましょう。
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まとめ
分譲マンションとは、マンションを1住戸ごとに販売しているマンション物件で、設備が充実しており、資産価値が得られるメリットがあります。
一方で、購入費用が高額な点や、手軽な転居ができなくなる点はデメリットです。
分譲マンションの購入費用の相場は、地域や新築・中古によっても異なりますが、全体相場は約6,082万円です。
株式会社安川工務店
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